十番虫合絵巻

このプロジェクトについて

 『十番虫合絵巻』のWEBサイトへ、ようこそ。 このWEBサイトでは、ホノルル美術館所蔵リチャード・レインコレクションの逸品『十番虫合絵巻』の原本の画像・校訂本文・現代語訳・英訳、作品と参加した人々についての解説を掲載しています。18世紀後半の江戸で、王朝文化を復興しようとする人々が集って催された豪華絢爛な「十番虫合」の世界を、書籍版『江戸の王朝文化復興―ホノルル美術館所蔵レイン文庫『十番虫合絵巻』を読む』(文学通信)ともども、お楽しみ下さい。(盛田帝子)

ご挨拶|盛田帝子

ご挨拶|ロバート・ヒューイ

このプロジェクトの研究組織

JSPS 20KK0006 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
「18-19世紀の日本における古典復興に関する国際的研究」プロジェクトチーム
研究代表者盛田帝子(京都産業大学)
研究分担者飯倉洋一(大阪大学)
永崎研宣(人文情報学研究所)
松本大(関西大学)
加藤弓枝(名古屋市立大学)
国際研究協力者ロバート・ヒューイ(ハワイ大学マノア校)
ジョナサン・ズウィッカー(カリフォルニア大学バークレー校)
研究協力者山本嘉孝(国文学研究資料館)
有澤知世(神戸大学)
研究補助員藤原静香(京都産業大学 研究補助員)

十番虫合絵巻研究会
所属は2024年3月29日現在

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虫合絵巻ビューワについて

はじめに

虫合絵巻ビューワは、十番虫合絵巻における様々な構造を記述した上で、虫合・歌合を理解しやすくするビューの提供を目指したものです。ここではこの虫合絵巻ビューワの使い方や技術的側面について紹介します。

使い方(動画)

虫合絵巻ビューワの使い方については、以下の動画をご覧ください。

虫合絵巻ビューワにおける利用技術の全体像

虫合絵巻ビューワでは、十番虫合絵巻のテキストデータの記述に際し、Unicodeに準拠して文字を正規化した上で、TEI (Text Encoding Initaitive)ガイドラインに準拠したテキストの構造化を行っています。 また、絵巻の画像はIIIFに準拠した仕様で公開した上で、TEI準拠テキストから参照できるようにしています。

TEIガイドラインへの準拠の仕方

テキストデータのTEI準拠の記述の仕方については、基本的には、日本語向けTEIガイドラインに準拠しています。 和歌や歌合としての構造のマークアップ手法については、幾浦裕之・加藤弓枝の知見に負っています。全体的な構造や各要素のリンクの仕方等については永崎研宣が設計しました。また、マークアップ作業は主に藤原静香が担当し、永崎が補助的な作業を行いました。
虫合絵巻ビューワでは、校訂本文、現代日本語訳、英語訳の三種類のテキストを提供していますが、TEI/XMLファイルとしてはこの三種類を別々に作成しています。 そして、これらのファイルを同時に表示させる役割はビューワのプログラムが担っています。 関連するテキスト同士をリンクするために、対応するエレメント同士には@xml:id属性の同じ値を与え、ビューワのプログラムでそれらをリンクさせています。 そして、和歌とその判詞の構造を区別して記述するとともに、@xml:id参照の手法を用いてそれぞれの関係を明示しています。 画像への部分的なリンクに際しては、全体としてはIIIF manifestと<facsimile>タグを対応づけることによって基礎的なリンクの構造を確立した上で、 <zone>タグを利用することで各対応部分の領域指定を行い、さらに、<zone>タグに付した@xml:idを参照することによって本文と部分画像とのリンクを明示しています。 他にも様々な工夫を行っていますが、詳しくはTEI/XMLファイルをご覧ください。

IIIFの導入の仕方

虫合絵巻ビューワで表示されている画像データは、IIIFに準拠した形で公開した上で上述のようにTEIガイドラインに準拠した記述方法でリンクしています。IIIFでの公開にあたっては、pyvipsを用いてTIFF画像をPyramid TIFF画像へと変換しています。画像はIIPImage serverを用いて公開しています。そして、それを踏まえてIIIF manifestを作成しています。今回はテキストデータをTEI/XMLファイルの方に任せたため、IIIF manifestはいたってシンプルなものです。

虫合絵巻ビューワの開発について

虫合絵巻ビューワでは、一般財団法人人文情報学研究所が公開している TEI古典籍ビューワ を基礎としています。これは、縦書きを含む日本や東アジア漢字文化圏のテキスト資料を適切に扱うことを目指して開発されているTEI準拠古典籍テキスト用ビューワです。虫合絵巻ビューワは、このTEI古典籍ビューワに対して、さらに対訳表示や画像表示などに関わる様々な機能を組み込む形でカスタマイズ版として開発されています。開発は、永崎とフェリックス・スタイルの本間淳が担当しました。

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